☆「片想い」 作詞・作曲: 柴田 淳 編曲: 坂本 昌之 C/W: 美しい人 発売:2002/10/23
もの哀しさを感じる晩秋にピッタリな,スローバラードです。透き通る声で,女性の哀しい恋を切々と歌い上げているのが印象的です。曲調としては「月光浴」の流れかなと思います。この曲も「月光浴」もとても良い楽曲だと思うのですが,個人的には(あくまでも個人的には…),アルバム「オールトの雲」に収められているような曲たちの方が好きですね。それに何となく,前奏や出始めが小谷美紗子,サビの部分では中島美嘉の曲を思い浮かべてしまうのは,私だけでしょうか? 〈歌詞について〉 それにしても,何と哀しい歌詞でしょう。また,救いようのない歌詞なんでしょう。歌詞の内容を簡単にいえば,哀しい片想いソングです。ここに出てくる登場人物は3人。私,あなた,あなたの彼女(あの人)。 まずは,歌詞全体の散りばめられている言葉が,結構「ググッ」ときます。例えば, 「時々 確かめさせるように わざとあの人の話をして 私を突き放すのね なにも求めてないのに」 「お願い 私から あなたを好きな気持ち 奪わないで」 「会いたいなんて もう言わない 言わないから」 「理屈でわかっていても 諦めきれないのは どこかで期待している あなたの心変わり」 「どうして あなたじゃなきゃダメなの? ダメなんだろう・・・」 「それでも あなただけ待ってる 待ってるから」 なんかは結構きますね。 歌詞を大きく分けると,1番→2番→サビの繰り返しという構成です。曲が進むに連れて,「私」の「あなた」への想いが進むという構成になっています。と,いうか,片想いの泥沼にはまっていくといった方がいいかもしれません。それは,それぞれのサビの部分を見るとよくわかります。 ☆1番サビ 1番のサビのキーワードは「あなたはこれからも そのままでいいから」だと思います。好きだけど,何ともならない,今の状態を壊したくないから,今の片想いのままでいい。そんなところでしょうか。 ☆2番サビ 2番のサビのキーワードは「これ以上私を いじめないで 」だと思います。自分の気持ちを抑えられなくなってきています。理屈(現実)では分かっていても,この想いは止まらない,そんな葛藤が,「いじめないで 」という言葉に凝縮されているような気がします。 ☆最後のサビ ここで静かな恋の暴走を歌っています。「どうして あなたじゃなきゃダメなの? ダメなんだろう・・・」「それでも あなただけ待ってる 待ってるから」は,想いが止まらなくなってしまった状態だと思います。でも,この女性は今の状態を壊すことは出来ないと思います。(それが,静かな恋の暴走なのですが…。)そんな彼女の哀しさが,柴田さんの切々なる声から伝わった来ます。 1番,2番と進むにつれて,柴田さんの歌い方が激しくなっていくような気がします。それも,シャウトとかそういうのではなくて,静かな激しさというのでしょうか…。そして,最後のサビは,上記にも書きましたが,この主人公の気持ちが切々と伝わる,静かな激しさを持った歌い方をしています。 |