「陽炎」
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☆「陽炎」 Lyric ＆ Music Chihiro Onitsuka Arranger Masayuki Sakamoto Ｃ／Ｗ： 愛の台詞 発売：２００９／９／２
鬼束ちひろさんの17枚目のシングルです。今回も前作同様「レコーディングの都合」として，公式サイト以外での主だったプロモーション活動は行われませんでした。 今回のジャケットは，シングルとしては2003年発表の8枚目のシングル「いい日旅立ち・西へ」以来となるイラスト使用となっています。このジャケットのイラスト，"平成の浮世絵師"東學氏の墨画書き下ろしで，鬼束さんをイメージして描かれています。これは鬼束さん自身が，東氏の描いた墨画に感銘を受け，実際に個展へ赴いてオファーしたことからコラボレーションが実現したそうです。見た瞬間，おどおどしさを感じる墨画でかなりのインパクトのあるジャケットです。ちなみに，ジャケットに描かれているのは一部で，全体の画はブックレット内面に掲載されているため，歌詞カードは別添で封入されています。 曲調は，バンドサウンドを主体としたロックバラードです。ただ「Ｘ」の時と違って聴きやすい曲で，この曲なら，「ロック系の鬼束さんの曲はちょっと…」という人も，受け入れやすいと思います。感じとしては，バンドサウンドを強くした「僕等 バラ色の日々」のような感じです。 〈歌詞について〉 この曲は，鬼束さんの歌詞にしては珍しくストレートな歌詞で，「日本の美」をテーマに，「貴方」への想いを春夏秋冬の情景を表現に取り入れたラブソングになっています。 「春・夏」 貴方をさらってしまいたい 春の息吹 夏の風 冷たい水面に言葉を浮かべて 涙がひとつ さよならひとつ 貴方がいなければ ただそれが全てだと 「秋・冬」 貴方をさらってしまいたい 秋の鈴鳴り 冬の吐息 微かな祈りを両手ですくって 涙がひとつ さよならひとつ 貴方がいなければ ただそれが全てだと サビの部分は，上記のように春夏秋冬の情景をもとに，「貴方」への想いを歌い上げています。ただ，この曲の本当の肝の部分は， 「淡いの灯火の中で 私の瞳は熱さを増す 貴方の事が見えるように 痛みを晒して」 の部分だと思えるのです。ここでの鬼束さんの歌い方は，女の情念を感じさせます。どうでしょうか…。 |
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