発売日 2011.4.20
☆曲目リスト |
1 青い鳥 | 7 SUNNY ROSE |
2 夢かも知れない | 8 NEW AGE STRANGER |
3 EVER AFTER | 9 CANDY GIRL |
4 IRIS | 10 罪の向こう 銀の幕 |
5 僕を忘れないで | 11 WANNA BE A HAPPY WARRIOR |
6 An Fhideag Airgid | 12 琥珀の雪 |
Lyric & Music Chihiro Onitsuka(All Song) Arranger Masayuki Sakamoto(2,3,5,9,10,12) Eric Gorfain(1,4,8,11) John John Festival(7) FUELS(6) |
前作「DOROTHY」から1年半ぶり,6枚目のオリジナルアルバムです。今回は,鬼束さんによる初のオールセルフプロデュース作品です。 このアルバムにおいては,「過去への訣別を感じるアルバム」という評価と,「今まで通りの鬼束さんのアルバム」という両極端の評価があるようです。個人的には,「今まで通りの鬼束さんのアルバム」という感じです。確かに,初期の売れ線のシングル群と聴き比べると「過去への訣別」と感じますが,アルバムの流れから見れば「今まで通りの鬼束さん」の流れだと思います。 ただ,私を含め初期からのファンで,「月光」や「眩暈」のような曲調が好きだった人には,この流れは違和感を感じるのも事実です。この初期の売れ線シングル群のファンの期待する「鬼束像」と,鬼束さんが実際やりたい楽曲のギャップ(過去の鬼束の残像)が,彼女の歌手としての人生を遠回りさせたのかもしれません。そういう意味では,このアルバムは「過去への訣別」なのかもしれません。 |
☆曲紹介 |
1 青い鳥 2 夢かも知れない 鬼束さんのこういうタイプの曲にしては,初め,切々と迫り来るものがなく,何となく違和感わ感じます。まぁ,普通の歌手が歌っているような感じ。でも,途中から,「やっぱり,鬼束さん!」と思えるようになり,聞き終わると,鬼束節そのものでしたっていう楽曲。 3 EVER AFTER 何となく4th ALBUM「LAS VEGAS」の中に収められている「蝋の翼」を彷彿させる曲です。「蝋の翼」の方にも書いたのですが,「鬼束さんらしくない」,普通の明るいポップス曲です。鬼束さんの楽曲は,どちらかというと普通の対極というイメージが強いので,明るい普通のポップス曲というのは…,何となく違和感を感じますね。まぁ,これはこれで良いんですが。 4 IRIS ロック調の曲。今までの曲で言えば「育つ雑草」や「X」に似た感じですね。鬼束さん自身はこういうロック色の強い曲がやりたいのでしょうね。「育つ雑草」の時には多くのファンが拒絶反応を起こした,このようなロック色の強い曲調も,だんだん受け入れられつつあるように思えます。何となく「鬼束ロック」が自然と耳に入るようになりました。 5 僕を忘れないで このアルバムで一番好きな曲です。鳥肌がたちました。とにかく切なく,深さを感じる曲です。そして,歌詞も…。特に一つ一つの歌詞の後に付く「どうか,忘れないでね。僕を,忘れないでね。」が何とも言えない,寂しさ,悲しさを感じさせます。また,淡々とした起伏を抑えた曲調に合わせて,鬼束さんが壊れてしまいそうな声で切なく淡々と歌うので,何というか思いが胸に迫ってきます。とにかく凄い曲です。ひょっとして,今のところの鬼束さんのベストかも? 6 An Fhideag Airgid 静かな曲です。基本,ピアノと鬼束さんのVo.のみですが,途中弦楽器の間奏が入ります。英語詞なんですが,雰囲気は日本の民謡曲みたいな曲です。 7 SUNNY ROSE フォルクローレ(南米・アンデスの音楽)を感じさせる音楽です。このアルバムでは,南米系の楽曲の香りがする曲が結構多いですね。鬼束さん自身,南米音楽に興味があるのかもしれませんね。この曲も,英語詞です。 8 NEW AGE STRANGER シングルの方よりポップに仕上がっています。テクノの雰囲気も入っていて,個人的にはこちらの方が聴きやすいです。 9 CANDY GIRL 「CANDY GIRL」と言うと,売れない頃のhitomi(当時,小室ファミリーの落ちこぼれ…本人談)の曲を思い出します。関係ないですが。普通の女性ポップロック曲です。そういう意味では,hitomiの「CANDY GIRL」と似ていますね。 10 罪の向こう 銀の幕 鬼束さんらしい楽曲・歌詞です。 「泣きわめくことさえできないのは」 「怒鳴り散らすことさえできないのは」 「目を開くことさえできないのは」 「見失いそうになるのは」 彼女の世界そのものですね。 11 WANNA BE A HAPPY WARRIOR 英語詞の曲です。弦楽器とギターが心地よいです。何となく懐かしさを感じる曲です。少し前の洋楽ティスト…,かな? 12 琥珀の雪 このアルバムの中で,最も人気のある曲です。初期のシングル曲の流を組む曲調・歌詞で,それをちゃんと2011年の鬼束さん流に昇華した曲です。トリックの2011年版があれば,「月光」「流星群」「私をワルツを」の流れから,エンディング曲としてピッタリだと思います。 |