さよならのかけら
|
☆「さよならのかけら」 作詞／作曲 小松未歩 編曲 古井弘人 Ｃ／Ｗ：ＢＯＹ ＦＲＩＥＮＤ 発売：１９９９／３／３
☆さよならのかけら さよならのかけら 蹴飛ばして 負けないように 未来へ走るよ なぜ君は行くの ひずんだ僕の声 もう会えないと 笑えないジョーク ねぇ できれば捨てぜりふ投げかけて ポケットにあるピアス 指で探った この街の出逢いと別れは コインで決めるほど簡単なの さよならのかけら 蹴飛ばして 負けないように 未来へ走るよ なぜ君は行くの ひずんだ僕の声 今日見かけたよ さり気なくカバン持ってた ねぇ 好みも趣味も もうあの子の匂い 粉雪が舞う空 すべて隠して 明かり零れる窓辺に立ち 帰りを急ぐ人波を見てた さよならのかけら 蹴飛ばして 負けないように 未来へ走るよ 取り戻せないの どんなに足掻いても あの子と友達になるわ 会えなくならず済むのなら ドアの外で 凍えそうで 何も感じなくして さよならのかけら 蹴飛ばして 負けないように 未来へ走るよ なぜ君は行くの ひずんだ僕の声 マイナー調の，ミディアムバラードです。彼女にしては，スロー気味な曲調です。 今回の曲は，全体に「切なさ」が詞にも曲にも出ていて，それと彼女の声質が妙に合っていて，より「切なさ」が伝わってきます。彼女の場合，イントロの処理のうまい曲が多いです。この曲も，イントロの流れるような旋律が曲全体の切なさを強調しています。 「歌詞について」 彼女の言葉を借りると，この曲のコンセプトは，「人との出逢いって偶然じゃないと思うけど，恋愛で両思いになれるのって奇跡に近いと思うの。」で，歌詞における表現のこだわりは，「絆。出逢いの大切さ。別れの必然性」だそうです。これを表しているのが， 「さよならのかけら 蹴飛ばして 負けないように 未来へ走るよ なぜ君は行くの ひずんだ僕の声」
の部分がこれに当たるかな？と思います。どうでしょうか？ サビの「さよならのかけら 蹴飛ばして 負けないように 未来へ走るよ なぜ君は行くの ひずんだ僕の声」の部分を除いて考えたなら，歌詞に描かれている世界は比較的単純で，女の子の立場で別れの瞬間から，After Loveを描いています。 別れを言いだしたのは男の子の方です。ところが，女の子はなかなかそれを受け入れられない。それをよく表しているのが， 「今日見かけたよ さり気なくカバン持ってた ねぇ 好みも趣味も もうあの子の匂い」
「さよならのかけら 蹴飛ばして 負けないように 未来へ走るよ 取り戻せないの どんなに足掻いても」
「あの子と友達になるわ 会えなくならず済むのなら ドアの外で 凍えそうで 何も感じなくして」
だと思います。でも，「さよならのかけら 蹴飛ばして 負けないように 未来へ走るよ なぜ君は行くの ひずんだ僕の声」の，「なぜ君は行くの ひずんだ僕の声」の部分が，解釈しにくいのです。これだと，男の方の未練ソングになるのです。 そこで，「さよならのかけら 蹴飛ばして 負けないように 未来へ走るよ」は，女の子が吹っ切って，未来へ向かうさまを描き，それに対して男の子の方が，自分から別れたにもかかわらず，完全に自分から離れて（他の男へ）いくのを見て面白くない（未練ではない）ので，「なぜ君は行くの ひずんだ僕の声」となったのではないかと思います。だいぶ強引ですが。 別の解釈として，前半が男の子の立場で書かれており，女の子の方から別れを言ったというものです。そして，「今日見かけたよ さり気なくカバン持ってた ねぇ 好みも趣味も もうあの子の匂い」 からは女の子の立場に変わり，自分がふったにも関わらず，別れてから未練が出てきてしまった情景を描いていると考えることもできます。でもこれだと，「さよならのかけら 蹴飛ばして 負けないように 未来へ走るよ なぜ君は行くの ひずんだ僕の声」の部分の意味は通るのですが，彼女のコンセプトがあまり生きてこないような気がするのですが。どうでしょうか？ 個人的には，「今日見かけたよ さり気なくカバン持ってた ねぇ 好みも趣味も もうあの子の匂い」の描写が好きです。 |
「輝ける星〜小松未歩の世界」トップへ
アルバム「ｅｖｅｒｙｗｈｅｒｅ」へ