「everyhome」
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☆「everyhome」 Lyric ＆ Music Chihiro Onitsuka Arranger Takeshi Kobayashi Ｃ／Ｗ：MAGICAL WORLD 秘密 発売：２００７／５／３０
活動休止からの復帰シングルです。前作『育つ雑草』から実に2年7ヶ月振りのリリースとなります。また，この作品からすべての曲のアレンジ・プロデュースを小林武史さんがおこなっています。 鬼束さんが復帰するということは，このＣＤが発売される少し前から知っていたのですが，実際にこの曲を聴いたのは６月１日の深夜に放映されたフジテレビ系の「僕らの音楽-OUR MUSIC 4-」ででした。 「僕らの音楽-OUR MUSIC 4-」では，今回からアレンジ・プロデュースを担当する小林武史さんとの共演でしたが，対談の場面では，目の焦点が合っておらず，小林さんの問いかけに対して「うん」「そう」などほとんど単語でしか返事していませんでした。さらに，「everyhome」を聴いたときの違和感(声が出ていない，音が…，そういう曲，それとも…。）や，「流星群」での彼女の歌声を聴いて思ったのは，「自分が作って，歌っていた曲なのに，うまく歌えないなんて…。」と思ってしまいました。それは「ブランク」という言葉だけでは片付けられないものだと感じたのです。 その時のことをメモしてあるのですが，そのメモの終わりには「正直『育つ雑草』の時と同じように，またすぐに休養してしまうのだろうな…。」「まだ，人前に出られる状態では無いのだろうに…。」と書き込んでいました。 そのため，この「鬼束ちひろの世界〜月の光を浴びながら」は削除はしないけれど放置だなと考え，当然「everyhome」のページも作成していませんでした。ところが，９月に復帰２作目のシングルが発売され，さらに10月末には４年10ヶ月振りのオリジナルアルバムが発表となり，「えっ！」と言う感じになりました。そして，４作目のオリジナルアルバム「LAS VEGAS」を聴き，良い意味で自分の予感が裏切られたことに気付いたのです。そこで，「鬼束ちひろの世界〜月の光を浴びながら」の放置をやめて，再び更新作業を行い，この「everyhome」のページも作成したわけです。 さて「everyhome」は，ピアノのみというシンプルな構成で制作されたバラード曲です。この曲を聴くと(当然ＣＤでですが)，やはり鬼束さんは鬼束さんだなと感じます。編曲さんは羽毛田丈史さんから小林武史さんに変わりましたが，ピアノ１本での鬼束節は健在です。切なく，そして切々と迫ってくる歌い方は鬼束さんの世界そのものです。あくまでもCDで聴いた感じですが，それまでの鬼束さんの世界を踏襲していると感じました。 〈歌詞について〉 この「everyhome」は，本人曰く，「風が大きなテーマになっている」「映画『フォレスト・ガンプ』を観ていたら曲が出来た」ということだそうです。また，普段は作曲の際には数時間で書き上げる鬼束さんにはめずらしく，この曲は3日という鬼束さんにしては長時間かけて作曲したそうです。(テレビ朝日系『ミュージックステーション』（2007年6月1日放送）に出演した際にも「（曲が降りて来つつ）3日かかった」と発言しています。) ただ私はこの歌詞自体，この曲が出来た2006年春における彼女の叫びだと思うのです。そして，この曲の頭と最後にある同じ３行の歌詞， 「夢が醒めないことを きっと責め続けたのだろう まだ今は来ない次の列車を待つ」 に凝縮されていると思うのです。はたして次の列車は醒めない「夢」に向かう列車だったのだろうか？それとも…。いつかは，来るのだろうか…？その列車は。それに，鬼束さん自身はその列車に乗れたのだろうか？または，夢は醒めたのだろうか？ふと歌詞からそんなことを思ってしまいました。どうでしょうか。 |
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