☆「I just wanna hold you tight」 作詞/作曲 小松未歩 編曲 小林 哲 C/W:すぐ恋なんて出来る 蒼い夏 発売:2005/5/18
テレビ東京系アニメ『メルヘヴン』エンディングテーマ曲で,10thのシングル「あなたがいるから」以来5年振りのアニメタイアップ作品です。もともと本人はラブソングにするつもりはなかったのですが,制作中の話し合いによりラブソングになったということです。また26thのシングル『恋になれ...』で,「I just wanna hold you tight〜a strange town Mix〜」としてリミックス収録されています。 セルフライナ−ノーツに「ぬくもりのある音に包まれた途端,霧のかかった場所にスリップしてしまった私。夢と現実の区別がつかなくて,これはもしかしてベール越しの景色?なんて…。幸せはやっぱり感じるモノなのでしょうネ。」書かれている通り,何ともいえない感じの,ほんわかしたスローバラード曲です。木漏れ日溢れる昼下がりに,お気に入りの紅茶の香りをお供に聴くのがピッタリな曲です。(歌詞の内容は明け方頃の曲なのですが…) 「歌詞について」 「なんてひどい夢なの どんなに叫んでも スーッと あなたは腕をすり抜け 闇に消えてしまう」 この曲は,こんな出だしで始まります。この後の「I just wanna hold you tight …」以降の部分が,「あなた」への主人公の想いが切々と描かれています。決して上手くいっていないわけではない,むしろ上手くいっていて幸せな状況だからこそ,今の幸せが怖い。それが,最初の「なんてひどい夢なの…」によって表現されていると思います。 このことは,2番の先頭 「滲む空を見上げて 静かに朝を待つ ソーっと 寝息たててるあなたの頬に 口づけした」 で,今の幸せな情景が描かれています。 この曲のシチュエーションは,あなたが消えてしまうという悪夢で目を覚ましてしまった主人公が,隣で寝息を立てている「あなた」を見てホッとすると同時に,今の幸せをかみしめ,また少し怖く想う…。そんな事を思っていると,夜が明けてだんだん明るくなっていく…。そんな情景を描いたものだと思います。そして,「気付けば外はもう真緋色,まぶしい」が,窓から差し込む朝焼け(真緋色が濃い朱色を表す言葉なので朝焼けの色を指していると考えられます)の様子を表しており,また,この部分の曲調が何ともいえずその場の雰囲気を表現してくれています。 この曲の歌詞の構成は,1番,2番とも先頭の「なんてひどい夢なの…」「滲む空を見上げて…」の部分が,実際の情景(見た夢や目の前の現実)を描いており,その後に,実際の情景に対する自分の想いを述べるという構成です。この自分の想いを述べている部分の先頭には英語の一文が載っており,想いを印象づけられるように作られています。 そしてこの曲の一番印象的な歌詞の部分は,最後の, の部分だと,私は思います。 |